2011年11月29日

維新の会が圧勝

大阪市長と大阪府知事のダブル選挙は「大阪都構想」を掲げた橋下徹前府知事ら大阪維新の会の圧勝だった。過激な言動を売りに政界入りし、強引な手法で府政の行革を断行、教育行政への政治的関与を強める危うさも批判された。その橋下氏が、なぜここまで幅広い層から支持を集めたのか。

背景の一つは、閉塞(へいそく)感が漂う大阪の社会経済だ。先頃発表された幸福度ランキングワースト1に象徴され、生活保護受給者や刑法犯認知件数などが多く、失業率や府内総生産も悪化の一途だ。維新の会は「4世帯に1世帯が年収200万円未満」と叫び、大阪全体の貧困化の現状を訴えた。

「役人天国」と揶揄(やゆ)される市役所職員の高い給与水準や、府市による「二重行政の無駄」など既得権益に対する住民の不満も一層高まっており、橋下氏支援に大きく影響した。

都構想と絡めて「大阪市役所はいりません」と連呼し、変革を迫った橋下氏の手法は、郵政選挙で圧勝した小泉純一郎元首相とも似る。単純化した争点で抵抗勢力との対立構図を優位に演出。都構想を批判するだけで、防戦一方の現職陣営との違いを鮮明化した。

ただ、こうした「大阪危機」を背景に住民が託した期待感を、橋下氏はじめ維新の会がどう受け止め、実現に導くのかは未知数だ。都構想を柱としたマニフェストは現段階で総論レベルにすぎず、政策実現には抵抗勢力とも渡り合わねばならない。都構想もすでに高いハードルが指摘されている。

大阪都構想は、大阪、堺両市合わせて人口350万人を超える2自治体を、30万〜50万人の中核市並みの特別自治区に再編して地方分権を進める。都は大規模な都市開発や雇用対策、警察、消防など広域行政を担うという。

維新の会が単独過半数を持たない市議会での賛成議決や住民投票のほか、地方自治法の改正が大きなハードルになる。現行法は「都区制度」への移行手続きはなく、国会での法改正が不可欠だ。

構想実現を2015年とした行程も決して余裕はない。構想が各論に入るほど、都と区の税財源の配分調整や国との関係整理など利害関係が絡む困難な問題も表面化する。4年間での実現が険しい道のりとなるのは必至だ。

一方で、政令指定都市の改革は「中京都構想」の愛知、「新潟州構想」の新潟両県でも動いており、大阪を加えて地方都市改革の機運が全国に広がる可能性がある。

維新の会の圧勝を受け、中央政界への影響もありそうだ。同会は構想実現のためには、既成政党の態度次第で自ら国政に打って出る方針だ。ダブル選挙で受け皿になれなかった既成政党の中では、政界再編もにらんだ同会との連携模索も始まっている。

大阪住民の期待を背負った新リーダーの誕生は、日本の自治のあり方を変える可能性もあり、沖縄も無関係ではいられない。半面、橋下氏の言動がさらにエスカレートし暴走しないか、一層の注視が必要だ。

posted by ぱっぴ at 17:54| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。